平成30年(2018年)、8月31日に、厚生労働省から各自治体宛に
「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」についてのお知らせがありました。
数回に分けてQ&Aのポイントをまとめているので
初めての方は、このテーマの<1>から、読んでみて下さい。
HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&Aの内容まとめ<1>
Q11. 同一施設内で複数のカテゴリーの食品を製造(例えば食肉製品や惣菜など)する場合は、カテゴリーごとに衛生管理計画を作成しなければならないのか?
★ポイント
製造方法や管理の手法が異なる場合は、カテゴリーごとに衛生管理計画が必要。
【補足】
・一般衛生管理や原材料、製造方法等の共通性が高いカテゴリー(食品のグループ)については、
同一の衛生管理計画で対応することも可能であるが、保健所への確認が必要。
※衛生管理計画とはHACCPの考え方で管理する内容
Q12. 飲食店が「HACCPに沿った衛生管理」を実施していない事業者から、仕入れた食材を使用した場合は違法になるのか?
★ポイント
発覚しても直ちに違法になる訳ではない。
【補足】
・厚生労働省が食品衛生法を遵守している事業者から、
食材を仕入れて下さいとアナウンスしている事から、
衛生管理が不十分な事業者だと知りながら、食材を仕入れている場合は
罰則を受ける可能性があると思われる。
Q13. 事業者が民間認証を取得している場合は「HACCPに沿った衛生管理」を実施していると言えるのか?
★ポイント
Codex委員会で求める要件と、同等の管理であると、認められる認証であれば
実施していると見なすことを検討中
※Codex(コーデックス)委員会=国際食品規格委員会
【補足】
・食品衛生法に基づく規制においては、事業者に対して
民間認証の取得を求めていない(あくまでも任意での取り組みである)。
・ただし、Codexと同等の管理であると考えられる下記等の認証であれば、
保健所等の立ち入り検査の際に、監査結果等の資料を提示すると
事業者の負担を軽減することも可能であることを検討している。
【Codex委員会の要件を満たしている主な民間認証】
「ISO22000」「FSSC22000」「JFS」「SQF」等
Q14. 事業者が民間認証を取得している場合は、保健所の立入検査が効率化されるのか?
★ポイント
Q13の回答にある「Codex委員会の要件を満たしている民間認証」であれば
効率化される可能性がある。
【補足】
・同じような内容の問いを連続して取り上げている事から
検討しているとの回答であるが、効率化される可能性は高い。
Q15. 総合衛生管理製造過程承認制度(マルソウ)は廃止されるのか? その場合、現在、マルソウの認証を受けている場合はどうなるのか? また、地方厚生局の監視指導や製品の自主回収が発生した際の報告の取り扱いはどうなるのか?
★ポイント
1. 食品衛生法の改正により、総合衛生管理製造過程承認制度(マルソウ)は廃止される。
2. マルソウの認証を受けている場合は、経過措置規定により、承認もしくは更新日から3年間は効力を有する。
3. 自主回収については、新制度である「食品リコール情報の報告制度」に従い対応する事となる。
【補足】
・食品衛生法改正の施工日は「公布日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日」となっており、
平成30年(2018年) 6月1日から、2年以内の施工日をもって廃止となる。
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・マルソウについては食品衛生法の施工日前日までに承認もしくは更新の手続きが、
全て完了している場合は経過措置により、承認もしくは更新日から3年は効果を有する。
・製品の自主回収については地方自治体へ報告する仕組みへの対応が求められる。
マルソウの承認を有する施設においての自主回収発生時の対応については
「食品衛生管理に関する技術検討会」において今後、検討する。
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食品衛生法改正!主要テーマ(回収情報を把握する仕組みの構築)
※以上 厚生労働省資料参考
HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&Aの内容まとめ<4> へ続く
2018.9.10 mint